2026年2月12日、大阪府警は「自転車運転者講習」の受講命令を無視し続けたとして、大阪市城東区の会社員男性(40)を道路交通法違反容疑で書類送検しました。これは2015年の制度開始以来、全国で初めての摘発事例です。「自転車の違反くらいで……」という甘い認識が、職場への直接督促や刑事罰、そして「前科」という取り返しのつかない社会的損失を招く時代に突入しました。本記事では、この最新事例を教訓に、私たちが「加害者」や「前科者」にならないための自衛策を客観的に解説します。
原則:公安委員会の受講命令に従わない場合、道路交通法第120条第1項第17号に基づき「5万円以下の罰金(刑事罰)」が科され、前科が記録されます。
例外:正当な理由がある場合は猶予されますが、今回の事例では「14回の予約キャンセル」と「職場訪問を含む50回以上の督促無視」が悪質と判断され、書類送検に至っています。最大の防御は、そもそも「命令を受けるレベルの違反をしないこと」です。
1. 自転車運転者講習を受けないと刑事罰の対象になる
生活リスクポイント自転車運転者講習は、単なる「交通安全教室」ではありません。道路交通法第108条の3の4に基づき、都道府県公安委員会が発出する「行政命令」です。この命令には法的拘束力があり、正当な理由なく拒否することは法律違反を構成します。
特筆すべきは、科されるのが「反則金(過料)」ではなく「罰金(刑事罰)」である点です。確定すれば前科が付きます。自転車であっても、法的には「軽微なミス」では済まされない段階が存在することを認識すべきです。
道路交通法における罰則規定の解釈
道路交通法第120条第1項第17号には、「第108条の3の4の規定による公安委員会の命令に従わなかった者」に対する罰金刑が明記されています。自転車講習命令無視は、即座に刑事手続きの対象となる極めて強力な法的強制力を持っています。
2. なぜ全国初の書類送検となったのか?大阪の事例から見る実態
ミントちゃん対象となった大阪市城東区の会社員男性(40)は、2023年10月に信号無視などの危険行為を繰り返したとして受講命令を受けました。本来、2025年7月下旬〜10月下旬までの受講期限内に受講すべきところを無視し続けたため、全国初の書類送検に至りました。
捜査当局が「悪質」と判断したポイント
この事例で書類送検の決め手となったのは、単なる未受講ではなく、以下のプロセスに見られる「明確な拒絶」です。
- 予約キャンセルの常態化:合計14回もの予約・キャンセルを繰り返し、受講を回避しようとした。
- 職場への訪問督促:警察側は50回以上の電話連絡に加え、職場への訪問も実施。これにより「知らなかった」という言い逃れを完全に封鎖。
職場にまで警察の督促が及ぶ事実は、会社員にとって致命的な社会的リスクとなります。「予約さえしておけば大丈夫」という甘い考えは、当局の執念の前には無力です。
3. 知らずに「命令」を招く!危険行為16類型の詳細
生活リスクポイント自転車運転者講習の対象となる「危険行為」は、道路交通法で定められた以下の16類型です。これらは「マナー」ではなく、明確な「法違反」としてカウントされます。
| 番号 | 危険行為の名称(法条) | 具体例・リスク |
|---|---|---|
| 1 | 信号無視(法第7条) | 赤信号の無視。歩行者用信号の無視も含む。 |
| 2 | 通行禁止違反(法第8条) | 「車両進入禁止」等の道路標識を無視した走行。 |
| 3 | 歩行者用道路違反(法第63条の4) | 歩行者用道路で歩行者を妨害、または徐行しない。 |
| 4 | 通行区分違反(法第17条) | 車道の右側通行(逆走)。左側通行義務違反。 |
| 5 | 路側帯通行違反(法第17条の3) | 路側帯で歩行者の通行を妨げる、または逆走。 |
| 6 | 遮断踏切立ち入り(法第33条) | 遮断機が降りている、または降り始めの進入。 |
| 7 | 交差点安全進行義務違反(法第36条) | 交差点で右折時等に直進車の進行を妨害。 |
| 8 | 交差点優先車妨害(法第37条) | 優先道路を走る車両の進行を妨害。 |
| 9 | 環状交差点安全進行(法第36条の2) | ラウンドアバウトでの通行ルール無視。 |
| 10 | 一時不停止違反(法第43条) | 「止まれ」標識を無視。足をつかない徐行もアウト。 |
| 11 | 歩道通行方法違反(法第63条の4) | 歩道の中央や右側を走行。歩行者を煽る行為。 |
| 12 | 制動装置(ブレーキ)不良(法第62条) | ブレーキがない、または整備不良の自転車を運転。 |
| 13 | 酒気帯び・酒酔い運転(法第65条) | 飲酒運転。2024年11月より罰則が大幅強化。 |
| 14 | 安全運転義務違反(法第70条) | 傘さし、片手、イヤホン使用等の操作不備。 |
| 15 | 妨害運転(法第117条の2の2等) | あおり運転。逆走や急ブレーキによる妨害。 |
| 16 | 携帯電話使用等(法第71条) | ながらスマホ。画面注視や通話。 |
意識しておきたい取り締まりの重点項目

特に注意が必要なのが、「車道の逆走(右側通行)」と「ながらスマホ」です。これらは現在、取り締まりの重点項目となっており、交差点での現認によって即座に検挙されるケースが増えています。3年という期間内に2回の摘発を受けるのは、日頃の「うっかり」の積み重ねで容易に到達してしまうため、常にルールの再確認が求められます。
4. 自転車運転者講習の仕組みとコスト
ミントちゃん- 講習時間
-
3時間(ビデオ視聴、適性検査、感想文作成等)
- 講習手数料
-
6,150円(標準額)
- 受講期限
-
命令書交付から3か月以内
5. 会社にバレる可能性はあるのか?刑事罰の社会的影響

生活リスクポイント会社員にとって最大のリスクは、罰金そのものではなく「前科記録」と「職場への露見」です。罰金刑が確定すると、市区町村の「犯罪人名簿」に記録され、一定期間管理されます。
今回の事例が示す「職場発覚」の現実
- 警察の職場訪問:大阪の事例では、警察が職場まで訪問し督促を行っています。この時点で会社側には不審に思われ、状況の説明を求められることになります。
- 実名報道・デジタルタトゥー:書類送検され報道されれば、ネット上に記録が残ります。
- 資格制限:一部の国家資格や職種では、罰金刑(前科)により資格停止等の不利益を被る可能性があります。
就業規則に刑事罰の報告義務がある場合、隠蔽そのものが解雇事由になりかねません。6,150円の講習を3ヶ月以内に受けるだけで回避できたコストとしては、あまりに高い代償です。
6. よくある質問(FAQ)
- まだ一度も摘発されていませんが、何かすべきことはありますか?
-
最も重要なのは「危険行為16類型」を理解し、日常の運転から排除することです。特に一時不停止や逆走(右側通行)は、警察の取り締まり重点項目であり、自覚なく「1回目の摘発」を受けるリスクがあります。
- 自転車保険に入っていれば、罰金や講習は免除されますか?
-
いいえ。保険は「相手への賠償(民事)」をカバーするもので、交通違反による「罰金や講習(刑事・行政)」はカバーしません。ただし、事故を起こした際の経済的破滅を防ぐためには必須の装備です。
- 講習命令のハガキを無視して職場に来られた場合、拒否できますか?
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警察の督促は行政上の手続きとして適法に行われます。職場での対応を拒否すれば、さらに「悪質性」が高いと判断され、早期の書類送検へと繋がります。拒否せず速やかに受講の意思を示すのが唯一の回避策です。
まとめ:自衛の基本は「無知」によるコストを払わないこと
2026年2月12日の書類送検は、自転車利用者が「車両の運転者」として自動車と同等の法的責任を負わされる時代の決定的な転換点です。職場訪問までして督促を行う警察の執念は、もはや「逃げ得」を許さないという強いメッセージです。私たちが取るべきは、後手に回った対策ではなく、未然に防ぐ「生存戦略」です。
【未然回避】リスク自衛の要点
- 16類型の徹底排除:「ながらスマホ」「信号無視」だけでなく、一時不停止を習慣から消す。
- 「1回目」を重く受け止める:指導警告票や赤切符を受けた時点で、あなたは公安委員会のリストに入っています。
- 経済特区の盾を持つ:事故を起こした際、刑事罰以上に恐ろしい「数千万の賠償」に備え保険を点検する。
あなたが今すぐ取るべき行動(生存アクション)
自転車保険の加入状況を確認:未加入なら即加入。また、過去に警察から受けた指導警告の有無を振り返る。
通勤・通学路の「一時停止」箇所を再特定:「止まらなくても警察がいないから大丈夫」という慢心を捨てる。
自転車の整備とヘルメット導入:「制動装置不良」での摘発を防ぐためのブレーキ点検と、命を守る装備を完結させる。






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