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専門家が解説:地震で家は倒壊しない。真のリスクは「水道30日停止」だった
(出典:国土交通省、国土技術政策総合研究所資料 No.1047、内閣府 防災白書 等)
クロマル:この記事の結論を言うにゃ!
- 今の家(新耐震基準)は、震度7クラスの地震で「即倒壊」する可能性は低いとデータが示しているにゃ。
- 地震で本当に怖いのは、「家の倒壊」よりも「電気・水道・ガスが止まること」だにゃ。
- だからこそ、これからの防災は「避難所」より「在宅避難」の準備が最優先だにゃ!
誤解?「地震が来たら避難所」はもう古い
【データ解説】なぜ「家は頑丈だ」と言えるのか?公的データの根拠
「大地震=家が倒壊する」というイメージは、特に1981年(昭和56年)以前に建てられた家には当てはまるかもしれません。しかし、現在の建築基準は根本的に異なります。
1981年6月1日に導入された「新耐震基準」は、「震度6強から7の地震でも倒壊・崩壊しないこと」を目標としています。この効果は、2016年の熊本地震(最大震度7を2度観測)で明確に証明されました。
国土交通省の調査によれば、震度7を観測した益城町中心部において、
- 旧耐震基準(~1981年5月)の家屋:倒壊率 **32.1%**
- 新耐震基準(1981年6月~)の家屋:倒壊率 **約7%前後**(調査により6.9%〜8.7%の幅あり)
という衝撃的なデータが出ています。(出典:国土交通省、国土技術政策総合研究所資料 No.1047 等)
新耐震基準は、旧基準に比べ倒壊リスクを4分の1以下に激減させたのです。もちろん約7%のリスクは残りますが、「地震が来たら家は即倒壊する」という認識は、現在の基準においては当てはまらないことがデータで示されています。
※さらに2000年(平成12年)には、壁の配置バランスなどを強化した「2000年基準」も導入されており、この基準を満たした住宅の倒壊率は約2%まで低下したとの報告もあります。熊本地震での新耐震の倒壊例は、接合部の仕様不良など施工・設計の問題も指摘されています。
参考:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」 参考:日本建築学会「耐震基準解説」
家屋倒壊の主な原因は「揺れ」より「複合災害」
では、なぜ大地震で多くの家が失われるのでしょうか。それは「揺れ」そのものよりも、地震が引き起こす「複合災害」が原因です。
2011年の東日本大震災では、全壊した建物のうち、実に**約92%が「津波」**によるものでした。津波の前では、耐震等級がいかに高くとも家ごと流失してしまいます。
また、2024年の能登半島地震における輪島市の「朝市通り」の大規模火災は、地震による「電気系統の異常」が出火原因とみられ、「断水」と「道路寸断」によって消防活動が困難になった結果、甚大な被害(**焼損棟数約240棟**)につながりました。
つまり、ハザードマップで「津波浸水」「大規模火災(延焼)」「がけ崩れ」のリスクが低い場所に家がある場合、揺れだけで家が倒壊するリスクは、過度に恐れる必要はないと言えます。
参考:建築研究所「東日本大震災の建築被害」 参考:内閣府「阪神・淡路大震災の住宅被害」
本当に恐れるべきは「ライフラインの完全停止」
家が安全でも「在宅避難」できない理由
「家が倒壊しないなら、避難所に行く必要はない」と考えるのは早計です。安全な家が残っても、そこで「生活」ができなければ意味がありません。
この「生活」を支えるのが「在宅避難」(行政用語では“自宅での避難生活”とも呼ばれます)という考え方です。
せっかく頑丈な家(シェルター)が残っても、そこで生活するための「電気」「水道」「ガス」が全て止まってしまったらどうなるでしょうか?
真冬に暖房(電気・ガス)が止まり、トイレ(水道)が流れず、情報(電気)も入らない。そんな「安全だが過酷な家」で、あなたは家族と何日間耐えられますか?
これこそが、現代の防災における最大の「落とし穴」です。私たちが本当に恐れるべきは、家の倒壊ではなく、生活の破綻を招く**「ライフラインの長期停止」**なのです。
過去の災害に学ぶ「復旧までの日数」
ライフラインの復旧には、その種類によって「絶望的な格差」があることをご存知でしょうか。これは、電線(空中)と違い、**水道管やガス管は地中に埋設されており、地震動や液状化による破損箇所の特定・掘削・修復に膨大な時間を要するため**です。
熊本地震における、主要インfraの復旧目安(概ね)のデータです。
| ライフライン | 復旧の目安(熊本地震 2016) | 特性 |
|---|---|---|
| 電気(停電) | 約10日 | 電線(空中)が主で、被害特定と修復が比較的早い。 |
| ガス(供給停止) | 約2週間 (14日) | ガス管(地中)が主で、掘削・修復に時間がかかる。 |
| 上水道(断水) | 数週間〜1ヶ月程度 | 水道管(地中)が主で、液状化などで甚大な被害を受けやすく、復旧が最も遅い。 |
(出典:**内閣府「熊本地震に係る被害状況について」等**)
衝撃的なのは「水道」の遅さです。電気やガスが復旧しても、命に直結する水が、**規模や地域によっては最大で30日以上かかった地域もあり**、これが「在宅避難」の現実です。
(※これは被害が甚大だった地域での最大値であり、災害の規模やお住まいの地域のインフラ状況によって復旧日数は大きく異なります)
「在宅避難」を可能にする3つの必須対策
クロマル:ここからは、その絶望的な「在宅避難」を成功させるための具体的な対策を解説するにゃ。ポイントは「電気」「水」「ガス」の3つだにゃ!
対策①:電気(太陽光・蓄電池・エネファーム)
復旧が比較的早いとはいえ、電気がなければ現代生活は成り立ちません。特に最初の1週間を乗り切るための「電源確保」は最優先事項です。
家庭でできる対策としては、ポータブル電源の備蓄はもちろん、長期戦に備えるなら「太陽光パネル」や「家庭用蓄電池」、ガスで発電する「エネファーム」などが強力な選択肢となります。
対策②:水(飲料水・生活用水)
最大の難関が「水」です。復旧に**数週間〜1ヶ月かかる**現実に対し、どう備えるべきでしょうか。
まず、国(首相官邸や厚生労働省)が推奨する「1人1日3L」の飲料水(**これは体重や気候にもよりますが、最低限の生命維持に必要な水分としての公式な目安です**)は、「最低3日分」ではなく「最低7日分(=21L)」は物理的に備蓄しましょう。これは物流が回復するまでの最低ラインです。
参考:首相官邸「災害に対するご家庭での備え」 参考:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
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さらに重要なのが「生活用水(トイレ)」です。飲料水とは別に、お風呂の水を(**入浴後もすぐに抜かず**)常に溜めておく、または(**自治体によっては補助金も出る**)雨水タンクを設置するなどの対策が、長期の在宅避難生活の質を大きく左右します。断水時の衛生管理(**実際に過去の災害では、衛生環境の悪化による下痢や感染症の流行が記録されています**)は命に関わる問題です。
参考:厚生労働省「災害時の衛生管理」 参考:厚生労働省「災害と感染症対策」 参考:東京都防災「家庭用備蓄(水・浄水器等)」
対策③:ガス(カセットコンロ・復帰方法)
ガスも復旧に2週間かかります。お湯を沸かし、温かい食事をとるために、カセットコンロとボンベ(最低1週間分)の備蓄は必須です。
そして、もう一つ重要な「知識」があります。地震後、ガスが止まる原因は「地域の供給停止」だけでなく、「自宅のガスメーター(マイコンメーター)が安全のために自動停止しただけ」の場合があります。
後者の場合、簡単な手順で「自力復旧」が可能です。
- まず、ガス臭くないかを確認します。(ガス臭い場合はすぐに避難しガス会社へ連絡)
- 全てのガス機器を止めます。
- メーターの「復帰ボタン」を奥まで押し、ランプが点灯したらゆっくり手を離します。
- ガスを使わずに「3分間」待ちます。(メーターが自動でガス漏れをチェックしています)
- ランプの点滅が消えれば復帰完了です。
この「3分待つ」という知識があるかないかで、ガスの復旧が「3分」になるか「2週間」になるか、運命が分かれる可能性があるのです。**ただし、ガス臭い場合や手順に少しでも不安がある場合は、絶対に無理をせず、ガス会社の公式な指示に従ってください。**
参考:東京ガス「ガスメーター復帰の方法」 参考:大阪ガス「マイコンメーター復帰方法」
まとめ:耐震の次は「耐災(ライフライン)」の家へ
本記事のデータを再確認しましょう。
今の家は、新耐震基準のおかげで「揺れ」では倒壊しにくくなっています(倒壊率約7%前後)。しかし、家が無事でも「水道」は**最大で30日以上かかった地域もあり**、生活が破綻するリスクがあります。
家の「耐震性」を高めるのは、防災の第一歩に過ぎません。
これからの防災で本当に重要なのは、災害後もその家で「生活し続けられる」ための「耐災性(=ライフラインの自立)」(最近は“レジリエンス住宅”とも呼ばれます)です。電気、水、ガスの備えこそが、家族を守る本当の「在宅避難」対策となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 旧耐震基準(1981年以前)の家に住んでいる場合、在宅避難は無理ですか?
A. 危険性が高いのは事実ですが、すぐに避難所に行くべきとは限りません。まずは自治体の耐震診断を受け、必要であれば耐震補強(補助金が出る場合もあります)を検討してください。それが難しい場合でも、寝室の家具固定を徹底し、水・食料・電源を備えることで、ライフライン停止に備えることは可能です。
Q. 断水時に一番困ることは何ですか?
A. 飲料水の不足も深刻ですが、それ以上に「トイレが流せない」ことです。衛生環境が急速に悪化し、感染症のリスクが高まります。飲料水とは別に、お風呂の残り湯などの「生活用水」の確保と、「携帯トイレ(防災トイレ)」の備蓄が、在宅避難の質を大きく左右します。
Q. マンション高層階ですが、注意点はありますか?
A. 高層階は揺れが増幅されやすい(家具転倒リスク大)ことと、停電時に「エレベーター停止」と「水道停止(ポンプ停止による断水)」が同時に発生するリスクが高いことです。水と食料の備蓄を低層階の家庭以上に重視する必要があります。
Q. 対策グッズ(ポータブル電源など)の選び方や補助金は?
A. ポータブル電源や蓄電池は、ご家庭の状況(人数、電力使用量)によって最適な機種が異なります。本サイトの関連記事(上記参照)も参考になりますが、お住まいの自治体(例:東京都)が独自の補助金制度を設けている場合が多いため、まずは「お住まいの地域名 蓄電池 補助金」などで検索することをおすすめします。
Q. 災害後の心のケアや、近所との助け合いで大切なことは?
A. 大規模災害の後は、不安やストレスによる「災害ストレス」を感じることがあります。ご自身やご家族の心の健康も大切にしてください。また、ライフラインの停止が長引くほど、「自助(自分での備え)」だけでは限界が来ます。普段からご近所と挨拶を交わすなどの「共助(助け合い)」の関係づくりが、最終的に地域全体の防災力を高めます。
参考・引用情報(E-E-A-T)
- 国土交通省:住宅・建築物の耐震化について
- (出典:国土技術政策総合研究所資料 No.1047 等)
- 日本建築学会:耐震基準解説
- 内閣府(防災担当):阪神・淡路大震災の住宅被害
- 建築研究所:東日本大震災建築被害調査報告
- (※能登半島地震の火災・倒壊に関する公式レポートは、消防研究センター等から発表され次第、随時追加)
- 内閣府:熊本地震 ライフライン復旧状況(PDF)
- 厚生労働省:災害時の衛生管理
- 厚生労働省:災害と感染症対策
- 首相官邸:災害に対するご家庭での備え
- 農林水産省:災害時に備えた食品ストックガイド
- 政府広報オンライン:災害時の「水」確保
- 東京都防災ホームページ:備蓄(水・浄水器等)
- 東京ガス:ガスメーター復帰の方法
- 大阪ガス:マイコンメーター復帰方法
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