
残業代が月5万円消える!?2026年法改正の「家計ダメージ」と今すぐ取るべき対策
プラチナ:働き方改革で「残業は減る」ってニュースは聞くけど、それってつまり「給料が減る」ってことだよね?ローンもあるし、月5万円でも減ったら家計が回らないよ…。
ミント:焦る気持ちは分かります。ですが、感情論で嘆いてもお金は戻りません。
2026年問題の核心は、**残業が規制されることであなたの「労働の対価」が変わる**ということです。
この記事では、具体的な「減収額」をシミュレーションし、それを**「国の制度」と「副業の安全策」**でどう守り、増やすかという、**攻めの防衛策**を解説します。
この記事でわかること
- 年収・職種別の**具体的な残業代損失額(シミュレーション)**
- 収入減を穴埋めする**「キャリアアップ助成金」「教育訓練給付金」**の活用術
- 会社にバレずに手取りを増やす**「副業と社会保険の壁」**の正しい知識
なぜ今、残業代が減るのか?(法改正の背景)
今回の労働基準法改正の動きは、単なる企業のコストカットではありません。「過労死を防ぎ、働く人の命を守る」という大前提に基づいています。
【時系列の整理】
- **2023年4月:** 中小企業にも月60時間超の残業に対する割増率50%がすでに適用開始されています。
- **2026年改正(案):** 「14連勤禁止」の規制強化や、**「勤務間インターバル制度の義務化」**などが改正案ベースで予定されています(現在、国会への法案提出待ちの段階)。
「14連勤禁止」や「勤務間インターバル規制」など、会社が絶対に守らなければならない法律の全体像と、違反した場合のリスクについては、姉妹ブログ『生活リスク予報』で詳しく解説されています。まずはこちらで自分の「権利」を確認しましょう。
残業代が消える?2026年法改正の「家計ダメージ」完全シミュレーション
法改正(2026年施行予定)の直接的な影響は、「残業代が減る」という形で家計を直撃します。すでに中小企業にも割増率50%が適用されているため、企業側はコスト増を避けるため、より厳格に残業をカットせざるを得ません。
なぜ「残業ゼロ」が現実味を帯びるのか
2019〜2020年に大企業・中小企業へ上限規制が導入され、**2024年4月には建設業や運送業など猶予されていた業種にも適用が始まりました。**
さらに今後、**勤務間インターバル制度の導入が義務化(現在は努力義務)**されると、労働者は「前日の終業時刻から翌日の始業時刻までに一定時間(例えば11時間)の休息」を強制的に取らなければなりません。
例えば、朝9時始業の会社で、前日22時まで残業(22時終業)した場合、11時間のインターバルを空けると、翌日の始業は9時(前日22時+11時間=翌日9時)でギリギリ間に合います。しかし、これが23時までの残業になると、翌日の始業は10時となり、**企業は1時間分の給与を支払うか、残業を強制的に禁止する**ことになります。残業をさせない方がコストがかからないため、残業規制はさらに厳格化します。
【図解】年収別・残業代「損失額」シミュレーション
あなたの基本給(賞与・手当除く)をベースに、月20時間・40時間の残業がすべてカットされた場合の年間損失額をシミュレーションしました。
全職種平均残業時間(約20.6時間/月)をベースとした年収別・年間損失額の試算
| 年収(モデル) | 月給(賞与3ヶ月想定) | 月20時間残業代(推定) | 年間損失額(月20時間) |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 30.0万円 | 約4.69万円 | 約56.2万円 |
| 500万円 | 37.5万円 | 約5.86万円 | 約70.3万円 |
| 600万円 | 45.0万円 | 約7.03万円 | 約84.4万円 |
※計算根拠:月給は年収を13.3ヶ月(賞与3.3ヶ月想定)で割って算出。月給÷月平均所定労働時間160時間×1.25倍×残業時間×12ヶ月で損失額を算出。
年収600万円の方の場合、年間約84万円、月に7万円近くの収入が消える計算です。この損失を補填しなければ、住宅ローンの返済や教育費に深刻な影響が出ます。
意外と知らない「正しい残業代」の計算式
減収リスクを正しく把握するには、まず自分の残業代の計算方法を知る必要があります。
基礎賃金に「含まれない」手当がある
残業代(割増賃金)の計算の基となるのは「基礎賃金」です。この基礎賃金から除外できる手当は、法律で厳格に決められています。
| 残業代の計算基礎から 除外できる賃金(7項目) |
判断の核心(除外の要件) |
|---|---|
| 家族手当 | 扶養家族の数に応じて額が変動する |
| 通勤手当 | 通勤距離や実費に応じて算定される |
| 住宅手当 | 住宅費用(家賃・ローン)に応じて算定される |
| 別居手当 | 単身赴任などの別居に対し支払われる |
| 子女教育手当 | 子女の教育費補助を目的とする |
| 臨時に支払われた賃金 | 結婚祝金、見舞金など、不確定な事由で支払われる |
| 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 | 賞与(ボーナス)など |
【要注意】
名称が「家族手当」でも、**独身者や家族の人数に関係なく一律で支給されている場合**、それは除外賃金と認められず、**基礎賃金に算入しなければならない**(残業代計算の基礎となる)と判断されます。あなたの会社の手当が「実費弁償」や「個人的事情」に基づくか、必ず就業規則で確認してください。
【対策1】減った分は国からもらう!「スキルアップ」でお金を増やす制度
残業代が減っても生活レベルを維持・向上させるには、「時給」ではなく「スキル」を上げることが最短ルートです。国も「人への投資」として強力な助成金を用意しています。
最大70%還付!「教育訓練給付金」で稼げる資格を取る
会社からの給与が減っても、国からお金をもらいながらスキルアップできるのが「教育訓練給付制度」です。特に、キャリアアップに直結する専門的な講座(IT、介護、資格取得など)が対象の**「専門実践教育訓練」**は、給付率が破格です。
プラチナ:資格勉強したいけど、学費や受講料が高くて手が出ないよ…。それに、残業が減って時間があっても、その分お金が減るんだから、むしろ余裕がない!
ミント:ご安心ください。専門実践教育訓練なら、受講料の**最大70%**がハローワークから還付されます。
さらに、訓練修了後に転職やキャリアチェンジによって賃金が5%以上上昇したことが確認できると、追加で10%(合計80%)の給付が受けられます。この制度は「リスキリング」の成果を直接的に評価してくれる、まさに**減収対策の切り札**です(2025年度制度ベース)。
受給資格と手続きの「落とし穴」
専門実践教育訓練を受けるには、原則として受講開始の1ヶ月前までに、ハローワークで**「訓練前キャリアコンサルティング」**を受け、ジョブ・カードを作成する必要があります。この事前の手続きを忘れると、たとえ講座を修了しても給付金は支給されないため、行動する際は必ずハローワークへの事前相談を最優先してください。
会社交渉のカードになる「キャリアアップ助成金」
現在、契約社員やパートタイムで働いている方は、「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」が会社との交渉の強力な武器になります。
正社員化で会社が得る「80万円」のメリット
この助成金は、非正規雇用労働者を正社員に転換した企業に対し、**1人あたり最大80万円(中小企業・重点支援対象者の場合)**が支給される制度です(2025年度制度ベース)。
正社員になれば、雇用の安定、昇給、賞与・退職金制度の適用など、生涯年収が向上します。さらに会社側も助成金という形で金銭的メリットがあるため、「残業規制で給与が減るなら、その分正社員化で補填してほしい」と交渉する根拠になります。
正社員転換時の「賃金3%増額」ルール
この助成金を受けるためには、会社は正社員転換後の賃金(固定給部分)を、転換前と比較して**3%以上増額**させることが義務付けられています。このため、あなたの給与は、正社員化によって法的に**最低でも3%アップすることが保証される**ことになります。
【対策2】会社に頼らず稼ぐ!「副業」の壁と社会保険の落とし穴
残業代の減少を直接的に補う最も現実的な方法は「副業」です。しかし、会社にバレるリスクや、社会保険料の負担増という「落とし穴」を知らないと、せっかく稼いだお金が消えてしまいます。
副業解禁=社会保険料アップ?「106万円・130万円の壁」最新事情
これまでパートタイム労働者を悩ませてきた「106万円の壁」(社会保険加入の境界線)は、**段階的に**ほぼすべての事業所に適用される見込みです。
【図解】2026年問題と社会保険の壁の行方(改正予定)
| 壁の種類 | 目的 | 改正スケジュール(予定) |
|---|---|---|
| 106万円の壁(年収要件) | 自分の勤務先で厚生年金・健康保険に加入するかどうか | **2026年10月:** 年収要件が撤廃され、短時間労働者の社会保険加入がさらに拡大。 |
| 企業規模要件(従業員数) | 特定適用事業所(社会保険強制適用)の企業規模 | **2027年10月:** 企業規模要件が撤廃され、ほぼすべての事業所が対象となる見込み。 |
プラチナ:え、じゃあ私、本業の残業が減ったから副業で週20時間働いたら、**副業先でも強制的に社会保険に入っちゃう**ってこと?保険料で手取りが減るなら、何のために頑張ったのやら…。
ミント:その通りです。二つの会社で社会保険の要件を満たす場合、あなたは**「二以上事業所勤務届」**を年金事務所に提出し、両方の会社で保険料を払うことになります。しかし、これは単なる負担増ではありません。
保険料を多く払う分、将来もらえる年金額は増えます。つまり、残業代という不安定な収入を、「国の年金」という安定した資産に変えるチャンスなのです。
会社にバレない?住民税「普通徴収」の真実
副業が会社にバレる最大の原因は、給与が増えたことで**住民税の額が変わり、本業の会社に「なぜこんなに税金が高いのか?」と気づかれる**ことです。
給与所得の副業は「原則特別徴収」
住民税の徴収方法には「特別徴収」(会社が天引き)と「普通徴収」(自分で納付)がありますが、アルバイトなど**給与所得として得る副業の住民税は、地方税法により「原則、特別徴収」が義務付けられています**。
1. **雑所得・事業所得の場合:** 確定申告時に「自分で納付(普通徴収)」を選択できますが、**大都市部を中心に自治体の判断で特別徴収に切り替えられるケースが増えています。**
2. **給与所得の場合:** 原則として特別徴収が義務付けられており、**普通徴収への変更は自治体が個別判断するため、認められにくい**のが実情です。
3. **安全策:** 会社にバレたくない場合は、Webライターやコンサルタントなど、給与所得ではない**「業務委託契約」(雑所得・事業所得)**で副業を行うことを徹底し、確定申告で「普通徴収」にチェックを入れるのが唯一の対策です。
2026年に向けて今すぐやるべき「お金の防衛策」
2026年の労働基準法改正は、生活を直撃する大きな変化です。残業代依存の働き方からの脱却は必須ですが、その過程で家計を崩壊させては意味がありません。
ミント:この変化を、単なる「賃下げ」と捉えるか、「国の制度を使って自己投資できるチャンス」と捉えるかで、数年後の資産状況は大きく変わります。
会社に頼らず生きる力を身につけることが、最強の家計防衛です。
- 減収リスクを計算する: 自分の月給を160時間で割り、月20〜40時間残業が減った場合の損失額を試算する。
- 会社の規則を確認する: 就業規則で副業が許可されているか、また各種手当が「基礎賃金」から除外される要件を満たしているか確認する。
- ハローワークに相談する: 教育訓練給付金の対象講座を調べ、事前にキャリアコンサルティング(ジョブ・カード作成)を受ける準備を始める。
参考文献・一次情報元(Trustworthinessの証明)
- 厚生労働省 労働基準関係法制研究会報告書(2025年1月)
- 厚生労働省:労働基準関係法制研究会報告書について
- 厚生労働省:社会保険適用拡大特設サイト
- 厚生労働省:教育訓練給付制度について
- 日本年金機構:二以上事業所に勤務する方が健康保険・厚生年金保険の被保険者となったとき
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