
2025年12月4日未明、山口県宇部市で発生した大規模なガス供給トラブル。「コンロからありえない高さの炎が出た」「元栓を閉めても火が消えない」といった恐怖体験がSNSや報道で伝えられています。
現在、宇部市の広い範囲(約1万2500世帯)でガスの供給が緊急停止されています。この記事では、現在判明している事故の技術的な原因と、二次災害を防ぐために「今すぐ家庭でやるべきこと」、そしてガスが使えない夜を乗り切るためのサバイバル術を、専門的な視点で解説します。
クロマル:今回の事故は、家に送られるガスの圧力が強くなりすぎたのが原因だにゃ。ガス臭いときは「換気扇」を回すのは絶対NG!スイッチの火花でドカンといく可能性があるにゃ。まずは窓を開けて、ガスの元栓を閉めること!これだけは徹底してにゃ!
山口県宇部市で発生したガス漏れ事故の全貌【12/4速報】
2025年12月4日午前4時ごろから、山口県宇部市の各地で「ガスコンロの火が消えない」「炎が大きく噴き出した」という通報が相次ぎました。現時点(12月4日夕方)で確認されている情報は以下の通りです。
| 項目 | 内容(12/4 17:00時点) |
|---|---|
| 発生日時 | 2025年12月4日 午前4時頃〜 |
| 対象エリア | 宇部市(厚南地区を除く都市ガスエリアほぼ全域) |
| 供給停止規模 | 1万2,494件(約1万2,500世帯) |
| 被害状況 | 小規模火災 17件(いずれも鎮火)、けが人2人 |
| 原因(見解) | 整圧器(ガバナ)の異常の可能性(調査中) |
現在、山口合同ガスは二次災害防止のため、対象エリアのガス供給を緊急停止しています。これにより、家庭での調理や給湯(お風呂・シャワー)が使用できない状態が続いています。
なぜ火が噴き出した?「整圧器(ガバナ)」トラブルのメカニズム
山口合同ガスは、今回のトラブルの原因について、圧力を調整する「整圧器(ガバナ)」に異常があった可能性が高いとみて詳細を調査しています。これは、ガス管を通る高い圧力のガスを、家庭で安全に使える低い圧力に調整(減圧)する、いわば「ダムの水門」のような重要な装置です。
異常昇圧とは?通常時との比較
通常、家庭用の都市ガス(低圧)は、人間がストローで水を吹く程度の非常に弱い圧力(約2.0kPa)で供給されています。しかし、整圧器が故障して高圧の中圧ガスがそのまま流れ込むと、以下のような危険な状態になります。
【表】通常時と異常時の圧力・現象の違い
| 状態 | 通常時(正常) | 異常昇圧時(今回) |
|---|---|---|
| 圧力の目安 | 約 2.0 kPa (ストローで吹く程度) |
100 kPa 以上? (中圧ガスが流入した場合) |
| コンロの炎 | 青く安定した炎 | 赤く巨大な炎 バーナーから浮き上がる |
| 機器への影響 | 安全に燃焼 | 内部破損・ガス漏れ 安全装置の限界を超える |
この圧力差により、コンロの炎がバーナーから浮き上がって巨大化したり、器具内部の弁が圧力に耐えきれずに破損し、ガス漏れを引き起こしたりしたと考えられます。
クロマル:家のコンロが壊れたんじゃなくて、送られてくるガスの勢いが強すぎたんだにゃ。蛇口をひねったら高圧洗浄機の水が出てきたようなもんだにゃ。だから、今は絶対にガスを使おうとしちゃダメだにゃ!
命を守るために今すぐ確認!家庭でできる緊急対応マニュアル
現在、供給停止中ですが、復旧時や万が一の残留ガスに備え、以下の行動を徹底してください。
【最重要】換気扇は回さない!窓を開ける
もし家の中で「ガス臭い」と感じたり、警報機が鳴ったりした場合、絶対に換気扇のスイッチに触れてはいけません。
⚠️ 爆発の危険あり
換気扇や部屋の照明のスイッチを「ON」または「OFF」にする瞬間、内部で微小な電気火花(スパーク)が発生します。ガスが充満している場合、この火花が着火源となり、爆発事故を引き起こす恐れがあります。
- × 換気扇を回す
- × 部屋の電気をつける/消す
- ○ 窓やドアを大きく開けて自然換気する
正しい換気方法:都市ガスは「上」を開ける
宇部市で供給されている都市ガス(13A)の成分はメタンが主体で、空気より軽いという性質があります。そのため、漏れたガスは天井付近に溜まります。
- 都市ガス(宇部市)の場合:高い位置にある窓を開ける。うちわ等で天井付近の空気を外へ仰ぎ出す。
- プロパンガスの場合:空気より重いので、床付近を掃き出すように換気する。(※今回は都市ガスの事故ですが、知識として覚えておきましょう)
ガスの元栓(メーターガス栓)を閉める
機器(コンロや給湯器)の栓だけでなく、屋外にあるガスメーターの元栓(メーターガス栓)を閉めてください。これにより、家の中へのガスの流入を物理的に遮断できます。
特に今回の事故では、異常な圧力により機器側の安全装置が破損している可能性もゼロではありません。大元の栓を閉めるのが最も確実な安全対策です。
復旧には時間がかかる?知っておきたい「エアパージ」と再開プロセス
「すぐに直るだろう」と楽観視するのは危険です。ガス供給の再開には、水道や電気とは異なり、非常に慎重な手順が必要です。特に今回は「異常昇圧」という特殊な事故事例のため、以下の4ステップが必須となります。
なぜすぐにガスを通せないのか
一度ガスを止めると、配管の中に空気が入り込むことがあります。そのままガスを通すと、管の中でガスと空気が混ざり、爆発しやすい状態になってしまいます。これを防ぐために「エアパージ(ガス置換作業)」という工程が必要になります。
? 標準的な復旧フロー
- 全戸閉栓確認:対象エリア(約1.2万世帯)の全ての家庭のガス栓が閉じているか、作業員が確認する必要があります。開いたままガスを送ると、室内に生ガスが充満してしまうからです。
- 修繕・気密検査:故障した整圧器を直し、本管に漏れがないか検査します。
- エアパージ:管内の空気をガスで押し出す作業を行います。濃度測定を行い、安全を確認します。
- 開栓・点火試験:作業員が一軒ずつ回り、各家庭の機器の安全を確認して点火します。
特に「全戸閉栓」や「個別開栓」は人手と時間を要します。過去の大規模な供給停止事例でも、復旧には数日から一週間程度かかるケースがありました。「長期戦」を覚悟し、数日分の備えを固めることが重要です。
※今回の宇部市の事案について、山口合同ガスは具体的な復旧完了時期を公表しておらず、「復旧のめどは立っていない」としています(12/4夕方時点)。
ガス停止中の夜をどう過ごす?ライフライン確保術
復旧のめどは立っていません。ガス設備の安全確認には1軒ずつ訪問が必要になるケースが多く、復旧には数日かかる可能性も覚悟しておく必要があります。
学校給食への影響
報道によると、一部の小学校では給食が通常どおり調理できず、メニュー変更などの対応が取られています。全面的な休校ではなく、メニュー変更レベルの影響とみられますが、最新情報は学校からの連絡をご確認ください。
食事:カセットコンロとポータブル電源
都市ガスが止まっても、カセットボンベ(CB缶)があれば温かい食事がとれます。防災備蓄として持っている方は、今こそ使いましょう。
また、ポータブル電源を持っている場合は、IHクッキングヒーターや電気ケトル、ホットプレートが使えます。火を使わないため、ガス漏れの不安がある状況下では最も安全な調理方法です。
お風呂:入浴支援情報の確認を
お湯が出ないため、自宅でのお風呂は不可能です。以下の対策を検討してください。
- 蒸しタオルで体を拭く:電気ケトルで沸かしたお湯でタオルを絞るだけでも、さっぱりします。
- 水のいらないシャンプー:ドライシャンプーがあれば頭皮の不快感を軽減できます。
- 入浴支援:今後、自衛隊や近隣自治体による入浴支援(無料開放など)が行われる可能性があります。宇部市公式サイトや「防災やまぐち」の最新情報をチェックしてください。
※2025年12月4日18時時点で、市公式サイトや報道において入浴支援の実施は確認されていません。実施される場合は宇部市公式サイトや防災ポータル等で告知されるとみられます。
まとめ:パニックにならず「閉栓」と「情報収集」を
今回の宇部市のガス漏れ事故は、家庭では防ぎようのないインフラ側のトラブルでした。しかし、その後の行動で身を守ることはできます。
✅ 今すぐやるべきアクションリスト
- ガスの元栓(メーター)を閉める:復旧するまで開けないでください。
- 換気扇・電気スイッチに触れない:ガス臭いときは窓を開けて自然換気。
- カセットコンロ・電気調理器の準備:長期戦に備えて熱源を確保する。
- 公式情報の確認:SNSのデマに注意し、山口合同ガスや市役所の発表を確認する。
不安な夜になりますが、まずは物理的にガスを遮断し、安全を確保して過ごしましょう。
参考資料・出典
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